性病、STD検査を怖がらないで

クラミジアの特徴

クラミジア・トラコマティスという病原体によって引き起こされる。もともとは眼病の原因になる病原体として知られていたものである。今ではほとんど見かけなくなったという鼠径リンパ肉目腫(そけいりんぱにくげしゅ)もこのクラミジア・トラコマティスという病原体によって引き起こされる性感染症の一つである。

 

とくに15歳〜29歳程度の若い女性に感染者が多く、パートナーの男性に感染し症状があらわれ自身が感染していることに気が付くことも多い
これは、自覚症状が現れるのが女性では約5人に1人程度なのに対して、男性の方は約2人に1人の割合で自覚症状が出現するということに由来する。
男性の方が気が付きやすい性感染症なのである。

 

感染経路

性器・口腔内・肛門・直腸内などの粘膜同士の接触によって感染することが多い。

 

コンドームなどを使用しないで、性交渉をした場合のみならずフェラチオ・クンニリングスといったオーラルセックス、同性・異性間での直腸内への性器の挿入、その他ディープキスなどによる粘膜同士の接触によって感染する。

 

なお、イソジンなどの消毒液を用いて口腔内などを消毒したとしても滅菌の効果は期待できない。

症状

クラミジアに感染すると、男性の場合感染から1日〜1週間くらいの間に発病し尿道炎を起こすことが多い。初期症状は排尿時に尿道がシミるように痛んだり、かゆみを感じたり、熱く感じたりする。その後、尿道からサラサラとした透明かやや白く濁った膿が出てくる。膿が少ない場合、下着に少量の粘液が付着したり、亀頭の先端が常にヌルヌルしている程度なので発覚が遅れる場合がある。

 

女性の場合約8割が無症状であり、元交際相手から感染した後に知らず知らずのうちに現在の交際相手に感染させてしまい自身の感染に気が付く場合が多い。
症状としては、まず子宮頸管炎をおこし、その後感染が子宮内膜・卵管へと波及し、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤内感染、肝周辺炎をおこす。
その他に、子宮外妊娠、不妊、流産、早産の誘因となる。妊婦が感染している場合、産道感染により新生児に封入体結膜炎を生じさせる場合があり、1〜2か月の潜伏期間を経て乳幼児の肺炎を引き起こすことがある。
黄色っぽいおりものが増えたり、尿道炎、膀胱炎の症状が現れた場合クラミジアの感染を疑った方がいい。

 

男女共通の注意事項としてクラミジアは、淋病との併発事例が多いことに注意が必要である。両方の感染が疑われる場合、両方の検査と治療を受けることをお勧めする。

検査方法

尿道や膣、子宮頸管、口腔内などの感染局所から分泌物などを採取し検出する方法が一般的である。
尿検査をすることでかなり正確な診断がつけられる場合が多い。その他、血液検査をおこなう事例もある。

治療方法

ガチフロキサシン(ガチフロ)・クラリスロマイシン(クラリス・クラリシッド)・エリスロマイシン・ミノマイシンなどの抗生物質を2〜3週間きちんと服用することで治るケースがほとんどなので治療方法はいたってシンプルである。
ただし、パートナーの治療がなされていなければ当然再び感染する。 性器からクラミジアが検出されなくとも、口腔内からのみ検出されることもあるので注意が必要である。