性病、STD検査を怖がらないで

肝炎の特徴

現在肝炎は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、G型肝炎の6種類に分けられている。そのなかでも、B型肝炎、C型肝炎については性行為によって感染することが明らかになっている。特にB型肝炎は、世界中で約3億人の感染者がいるといわれており、そのうちの約2億人がアジア系の人種であると推定されている。日本で働く所謂アジア系コマーシャルセックスワーカの中に感染者が少なくないとのレポートがある。C型肝炎については他の肝炎ほどの感染力はないとされている。A型肝炎については、通常性行為によって感染することはないが、感染者の糞便中に含まれるHAVウイルスが未感染者の口に入ることで感染することがわかっており、肛門に対する愛撫・肛門性行為などによって感染する可能性がある

感染経路

すべての肝炎について輸血・血液製剤の使用・母子感染など血液を介した感染が見られるほか下記のような条件で感染する。

 

A型肝炎
主に、肛門に対する愛撫・肛門性行為などによって感染する。

 

B型肝炎・C型肝炎
性行為・傷口等を介しての血液の交換。

症状

A型肝炎
発熱、食欲不振、悪心、嘔吐などの消化器症状、全身懈怠感、黄疸(皮膚や白目が黄色っぽくなる)などでB・C型に比べて比較的高い38℃以上の発熱を出す場合が多い。劇症化することはB型と比べるとかなり少なく予後も良好である。又、予防にはワクチン接種が有効であり抗体獲得率は3回の接種で5年後でも100%を示すといわれている。

 

B型肝炎
感染した場合ほぼ症状のない不顕性感染と、一定の潜伏期化を経て、発熱、食欲不振、嘔吐などの消化器症状、全身懈怠感、黄疸などを示す急性肝炎となる。しかし、感染者の約80%は不顕性感染である。免疫機能の未熟な乳幼児などが感染すると、その多くが持続感染となるが、成人が感染した場合通常慢性化することはなく治癒するが、それでも5〜10%が慢性化しB型慢性肝炎となるといわれている。B型急性肝炎の5〜30%は性行為による感染であるとも言われている。ワクチン接種による予防が可能だが、3・4年で抗体が消失してしまうので追加でのワクチン接種が必要となる。

 

C型肝炎
他の肝炎と同様の症状・経過をたどるが、一般的にA・B型に比べて軽症である場合が多い。しかし、C型では持続感染となる場合が多く、急性肝炎の60〜80%は慢性肝炎に移行するとされている。慢性肝炎に移行すると肝硬変・肝がんに発展する恐れがある。なお、C型肝炎について有効なワクチンはない。

検査方法

血液検査により、感染の有無を調査することになる。

治療方法

A型肝炎
胆汁うっ滞を起こした場合、薬剤投与等の治療が施されるがほとんどが3か月ほどで自然治癒する。予後も良好と言える。

 

B型肝炎
治療はインターフェロンの投与によって行われるが、その他これといった治療法はなく安静にするほかない。

 

C型肝炎
治療はインターフェロンの投与によって行われる。長期にわたって投与が行われる場合、血小板の減少、間質性肺炎、うつ病、甲状腺機能異常などの副作用が現れることが知られている。